2004年11月07日

ステンドグラスへの想い10(宮崎空港2)

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花・トロピカルM/宮崎空港ビルアトリウム/w23000×h3500

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ストレリチア(極楽鳥花)・宮崎空港ビル 3Fサロン w600×h1200

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ハイビスカス・宮崎空港ビル 3Fサロン w600×h1200

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ブーゲンビレア・宮崎空港ビル 3Fサロン w600×h1200


大きなプロジェクトが動き出す、時間をかけ、打合せの回を重ねる…
工事の問題(空港は年中動いてるために休む事は出来ません。)
空港ビルのメインエントランス、まして大理石で出来た吹き抜けアトリウム!
アトリウムの下、いつも沢山の人達が利用する危険な状況の中での工事…
地上25mの所に足場を組むのですから…想像するだけで怖い!
株主総会・役員会と承認を得るために空港ビルの関係者の方々は,
実行のGOサインを出すまで 大変だったと聞きます。
宮崎空港の名物、人気のからくり時計。
時報をつげるシンセサイザーを使った現代的な音楽と共に、高千穂のお神楽を舞うからくり人形…
1時間に一回の出番!
次の出番までの、55分間の時間を埋める使命を与えられたステンドグラス…、
5周年事業の一環として重要な役目を背負う。


宮崎のイメージをどう表現し、市や町や人々をどう表現するか?
宮崎の明るさと暖かさを念頭に、青空をバック全面に表現する、
青空の下、宮崎の特徴を入れてゆく…
両サイドに分かれて描いてる緑の部分は、本当はひとつで
ふたつ合わせると宮崎県の形になっている。
左が北部で右が南部、ようく見ると都井岬もある…、
緑の中、円の集合は人々を表し、
その中の大きい変形の楕円は市の位置を表している。
ただし、北部は殆ど山間部のため特徴がなく、あえて高千穂の町を入れる。
画面の左右横に走っている赤い線は、動脈である国道10号線を表し、
ステンドグラス画面を引き締める役目もあるが、
宮崎県民の情熱的なエネルギーの意味も持たせたかった。

いまだに宮崎の経済人の方々の、心の中に生き続けている
岩崎イズム(宮崎交通の創始者理念)をどう表現するか?

青空を背に、全てを大きく見守る存在感を極彩色のガラスの枠で表現する。

以上の事を役員会に出席して説明する。
滞りなく終わった後、キーマンである重役より、「アトリウムのFixの一部の計画で進めてきたけど
全面をステンドグラスにしたらどうなるか?」と尋ねられる…
当然、一部に入れるより、全面ステンドグラスにした方が良いと思います!と答える。
「解りました。 その前に再見積と全面入れたときの再デザイン画を、もう一度出して下さい。」
やっとデザイン画を描き始めて1年、制作のOKが出る。
何度も足を運び、一つ一つの問題を解決しながら進めるのは大変でしたが、
しかし、やりがいのある充実した1年間でした。

さて、問題は山積みでした。
制作に入るまでの1年間、脳裏を離れなかったのが、実寸の型紙をおこす場所探しでした。
しかし、ラッキーな事にお世話して頂いた会社のビル、ワンフロアー空き部屋があり
そこを無償で借り、フロアー一面に24m紙を敷き、
その上を這いつくばりながらスタッフと2人、2週間かけ描きました。
空調が利いて楽でしたけど、2週間這いつくばっての制作は、膝と腰に正直厳しかった…
それも、今では良い思い出ですけどね!
ステンドグラスの制作日数は、約半年かかりました。
計画からはじめての総制作日数1年半!
思い出深い、充実した1年半でした。

「見る人達が参加できる作品」
長崎電気ビルに関わって以来、私自身の心の中に絶えず消えないであった「見る人達が参加できる」
ステンドグラスとは…?
ここ宮崎空港でも最初に考えたことは、
公共施設と云う場所柄、
どうしたら利用する皆さんが参加できるステンドグラスが出来るだろうか?でした。
しかし、長崎電気ビルと同じ表現方法は取りたくなかったし、現実問題として出来なかった。
なぜなら、宮崎空港ビルではアトリウムの中、地上25mと高い位置にあるため、
見る人達は見上げることになり、バックには青空しか見えない…
面取りガラスの効果が全く発揮されなくて、平面にしか見えないことです。
苦肉の策として取ったのは、メインである花に鮮やかな色を使わず、無彩色(Black&White)
で表現することでした(正直云って、わたしの大好きな表現方法ですけどね)。
見る人達に、好きな色を自由にイメージして見て頂きたい!
想像する事で参加する事に成らないだろうか…(勝手な思いかもしれない)
後日談だけど、当時の社長から最後まで云われたのは
「少しだけでも花に色を付けれないだろうか?」でした…!


※1997年アーキテクチュラル グラスアート誌(英国)に、草場邸と長崎電気ビル
と共に掲載される。
この作品も長崎電気ビルの作品同様、私にとって数少ない代表作のひとつです。


投稿者 TT : 2004年11月07日 11:20
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